習い事を始める前に親が知っておくこと

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「何かを始めた方がいいのかな」と思いながら、でもまだ踏み切れていない。

そういう状態のとき、親の頭の中には、不思議なくらいいくつもの気持ちが同時にあります。早くしなければという焦り。この子に合うものを見つけてあげたいという期待。続かなかったらどうしようという不安。お金や時間のことも、どこかに引っかかっている。

どれが「本当の気持ち」かというより、全部が本当の気持ちです。

この記事は、そういう混在した気持ちを少し整理するために書きました。習い事を始める前に知っておくと、始めた後が少し楽になること。そういうことを、静かに確認していきたいと思います。


知っておくこと① 習い事は「与えるもの」ではなく「一緒に見つけるもの」

習い事を始めるとき、多くの場合、最初に動くのは親です。体験教室を探して、日程を調整して、送り迎えの段取りをする。子どもはそこに「連れていかれる」ことから始まります。

それ自体は、おかしなことではありません。子どもは自分でまだ選べないことの方が多い。親が入口を開けてあげることで、何かに出会えることは確かにあります。

ただ、「習い事は親が子どもに与えるもの」という感覚のまま進んでいくと、少し違和感が出てくることがあります。子どもが乗り気でないときに「せっかく始めたんだから」と引っ張ろうとする。子どもの反応よりも、親が選んだという事実の方が重くなっていく。

習い事は、最初は親が開けた扉でも、やがてその子自身がその場所をどう感じるかによって、意味が変わっていきます。「与えた」のではなく「一緒に見つけた」と思えるようになるには、子どもの反応を観察し続けることが必要です。

始める前から「この子に合うはずだ」と決めすぎないこと。そのくらいの余白を持っておくと、始めた後に子どもの反応を素直に見られるようになります。


知っておくこと② 「続けさせること」より「やめどきを決めておくこと」の方が難しい

「始めたからには続けてほしい」という気持ちは、自然なものです。費用も時間もかかっている。途中でやめることが、なんとなく「負け」のように感じてしまうことも、あるかもしれません。

ただ、実際に習い事を続けていくと、多くの親御さんが直面するのは「続けさせる難しさ」よりも「やめていいのかどうか判断できない難しさ」です。

子どもが「やめたい」と言う。でも、一時的な気持ちなのか、本当に合っていないのか、判断がつかない。「もう少し続けたら好きになるかもしれない」という期待と、「無理に続けさせると嫌いになるかもしれない」という不安の間で、答えが出ないまま時間が過ぎていく。

始める前に、ある程度の「やめどき」の基準を自分なりに考えておくことは、決して縁起が悪いことではありません。たとえば「半年やってみて、本人に聞いてみる」「本人が三回以上行きたくないと言ったら一度立ち止まる」など、ざっくりとした目安でいい。

やめどきを考えておくと、始めるときのハードルも下がります。「合わなければやめられる」と思えると、「本当にこれでいいのか」という重さが少し軽くなります。


知っておくこと③ 親の熱量と子どもの熱量は、ずれることがある

習い事を選ぶとき、親の気持ちが先に動いていることがよくあります。「ピアノを弾けるようになってほしい」「体を動かすことを好きになってほしい」「論理的に考える力をつけてほしい」。

その気持ち自体は、子どもへの思いから来ています。決して悪いものではありません。

ただ、親の熱量と子どもの熱量は、必ずしも一致しません。親がとても気に入っている習い事に、子どもがまったく乗り気でないこともあります。逆に、親がそれほど期待していなかったものに、子どもが思いがけずはまることもあります。

筆者がいろいろな親御さんの話を聞いていて感じるのは、「親の期待が強すぎると、子どもが正直な反応を出しにくくなる」ということです。「楽しかった?」と聞いたとき、子どもが親の期待を読んで「うん、楽しかった」と答えているだけのことも、あります。

親の熱量を持ちすぎないことは、難しいことです。でも、「この子がどう感じるか」を、親の期待の外側から見ようとする姿勢が、習い事を続けていく上で大切になってきます。


まとめにかえて

準備が整ってから始める必要は、ありません。

「もっとよく調べてから」「もう少し子どもが大きくなってから」と思っているうちに、なんとなく機会が過ぎていくこともあります。完璧な準備を待つよりも、軽い気持ちで始めてみた方がいい場合も、あります。

ただ、この記事に書いたようなことを頭の片隅に置いておくと、始めた後の判断が少し楽になります。

習い事は「与えるもの」ではなく「一緒に見つけるもの」。やめどきの基準を、あらかじめ自分なりに持っておく。親の熱量と子どもの熱量がずれることは、珍しくない。

この三つだけでも、どこかに置いておいてもらえたなら、この記事の役割は果たせたと思っています。

まだ何も決まっていなくて、大丈夫です。

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